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【真野恵里菜】舞台「悼む人」レポ2012.12.8ソワレ

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真野ちゃんの演技は安定感があって、
出産、母親の病、兄の奇行と不安を抱える女性を
リアルに演じ切っていましたねえ。


昨日(12/8)、
神奈川芸術劇場で上演された
舞台『悼む人』のソワレに参戦しました。

今回の舞台は人気があって、
東京公演はチケットが取れず、
神奈川公演でようやく自力で
チケットを取れての初参戦。


また、
地元横浜にありながら、
神奈川芸術劇場に入るのも初めてで、
豪華で綺麗な作りに、
まずは感銘してしまいましたね。

席は3階最前列のど真ん中で、
足がすくむほど高い位置でしたが、
舞台全体が良く見えて、
A席としては大満足でした。


なお作品自体は、
キャストを最小限に絞り、
ストーリーも大胆に省略していて、
原作を読んでいない人には
難解だったかも(特に前半部分)。

自分は原作を読んでいたので、
登場人物の背景まで分かっていましたが、
出演者は原作を読んでいない人にも
バックグランドも含めて表現しなくてはならず、
相当な負担が掛かっていたと思いますね。


キャストを絞った5人芝居、
シンプルな舞台セット、
独創的な映像表現の中で、
いかに作品のテーマを伝えていくのか。

まさに、
出演者の演技力が問われる作品でしたね。


それでは、
出演者別にレポしてみたいと思います。

真野恵里菜(坂築美汐役)

真野ちゃんの演技には、
舞台経験によって培われた
安定感がありましたね。

激情型の演技は影を潜め、
死期の近い母親を気遣う気持ち、
兄の奇行を理解できない苛立ち、
兄のために破断した恋人との別れ、
そして妊娠・出産に対する不安を
等身大にリアルに演じ切っていました。


ある意味、
出演者の中で一番普通の役柄で、
でもだからこそ、
真野ちゃんの演技が、
作品にリアリズムを与えていましたね。

主人公の行動が理解しがたい分、
感情移入しやすいのは
むしろ真野ちゃん演じる坂築美汐で、
その重責を見事に果たしていたと思います。

女優さんとして、
一歩一歩着実に成長している真野ちゃん
最大限の拍手を送りたいですね。


向井理(坂築静人役)

何とも掴みどころのない役柄を、
ストレートに肩の力を抜いて、
でも堂々と演じていましたね。

喋り方は、
いつもの向井節なのですが、
それがピッタリと作品に収まっていて、
不思議な力を持った役者さんだと思いました。


感情を抑えた演技に終始しながら、
静人の思いがジワジワと
伝わってくる感じ。

今になっては、
向井さん以外の静人は考えられない感じで、
朴訥とした存在感に拍手ですね。


小西真奈美(奈儀倖世役)

ひとりで気負い過ぎてしまって、
空回りしていた感じでした。

セリフ回しに安定感を欠いていたし、
集中力が切れてテンポがずれたりと、
完全に浮いてしまっていましたね。


比較的、
演技力を発揮しやすい役柄だと
思うのですが、
もしかしたら
小西さん自身に迷いがあったのかも。

今回に限っていえば、
残念ながらミスキャストだったかも
知れませんね。


伊藤蘭(坂築巡子役)

伊藤さん(さすがにランちゃんとは呼べません)は、
死期が近くに迫っていながら、
それでもコミカルに振舞う難役を
自然体で完璧に演じ切っていました。

シリアスな作品の中で、
不治の病に侵されながら
コメディーリリーフ役で
笑いを誘うなんて、
伊藤さんにしか出来ない
神業だと思いました。


なお劇中では
真野ちゃんと絡むシーンが多いのですが、
ふたりの演技が一番安定感があって、
作品全体をしっかりと支えていた感じ。

まさに、
ベテランの味を存分に発揮していましたね。


手塚とおる(蒔野抗太郎役)

舞台仕込のセリフ回しで、
作品をグイグイと引っ張っていましたが、
舞台出身者が少ないキャストの中では、
逆にちょっと浮いてしまっていたかも。

一人芝居には惹きつけられましたし、
前半と後半ではガラリと変わるキャラには、
人生の切なさを感じさせてくれましたが、
作品全体のトーンから見ると
違和感がありました。


でも、
全てが予定調和的では面白くないし、
これも堤マジックなのかも知れませんが、
だとしたら、損な役回りでしたね。

手塚さん自身の、
舞台に賭ける思いは
十二分に伝わってきただけに、
残念な思いが残りました。


ということで、
直木賞受賞の話題の原作と
独創的な映像表現を取り入れた舞台作り、
そしてキャストの演技力が試される作品で、
出演者のばらつきは残念でしたが、
新鮮で見どころが多くて楽しめました。

女優さんとしての
真野ちゃんの成長もしっかりと確認できたし、
収穫の多い舞台観劇になりましたね・・・。